アフガニスタンのために医師としてだけではなく、
人道支援において粉骨砕身でご活躍中だった中村哲医師の訃報は本当に辛いニュースでした。
よく惜しい人ほど早く亡くなってしまうと小さい頃から耳にしてきましたが、
今回のニュースはまさにそれを実感した出来事です。
甚大な自然災害などの際も、数多くの医療スタッフや医師が人道支援として
医療提供のために尽力されていますが、中村先生においては医療行為だけにとどまらず、
現地の生活基盤の再生にまでご尽力されていました。
歴史上の人物で戦国時代随一の強さを誇ると言われていた「武田信玄」が
水害対策として自ら工夫して水害をなくしたと言われる「信玄灘」は大変に有名ですが、
中村先生はアフガンの水不足、ならびに治水対策を行っていくに際して、
この「信玄灘」を用いたとも聞いています。
昔の甲斐国(山梨県)は川の氾濫が絶えなかったのですが、信玄はこの課題を克服し、
甲斐の人々に実りある生活環境を提供したと、戦以外での功績でも地元では英雄となっています。
中村先生はこの実績を大変重く受け止め、アフガンの復興に活用されたのだと思います。
しかし素人が簡単にこの工夫を導入する事は難しいですし、
どのような構造でどう工事に着手するか?など、おそらく相当勉強もされたのだとと思います。
人のためにここまで身を粉にして動かれる方は世界中を見回してもほとんどおられないように思います。
医師としての志も頭が下がる思いですが、それだけでは人を本当に救うことにはなっていないと感じられ、
自らショベルカーを動かし見事にアフガンの地域に緑を多く復活させたことは、
真の意味の人道支援といえますし、人の力の凄さを実感させられました。
医療の技術に長けた方の素晴らしさも本当に貴重でもありますが、
中村先生のように医師としての知恵だけではなく、さまざまな視点からの「人助けとは?」を考え、
行動をされてきた理念に改めて敬意と哀悼の意を表したいと思います。
私たちも小さなことからでも、中村先生のように他者への思い入れを大事に、
協力し合いできることをしていこうと思いました。
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