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医師になるにはどうすればいい?|必要な資格や条件・最短ルートを解説!

医師といえば、「頭の良い人しかなれない」「お金持ちしかなれない」といったイメージを持っている人が多いかもしれません。給料の高い職業として代表的な医師は、人の命を預かるとても重大な仕事でもあります。「医師になりたいけれど、どうすればなれるのか」「誰もが目指せるものなのか」といった疑問を持っている人の参考になるよう、医師になるまでの道のりを紹介します。

医師になるためのステップ

医師になるには、大きく分けて、3つの段階を乗り越える必要があります。

【医師になるために必要なステップ】

1.     医学部に入学・卒業

2.     国家試験に合格し医師免許を取得

3.     研修医として働く

医師になるには、医学部で6年学び、国家試験に合格し、研修医として2年の研修を行うため最短でも8年の期間が必要となります。医師は人の命に携わる仕事なので専門性が高く、知識や経験の習得に長い時間がかかります。

STEP1:医学部に入学・卒業

医師になるには、医学部を卒業することが必須です。そのため、医学部に合格し、入学することが最初にして最大の難関といえます。
医学部のある大学は、全国に80校程度ありますが、いずれにしても偏差値・倍率が高いため、一度で合格できるとは限りません。中には、何年も浪人を繰り返す人もいます。そのため、医学部合格を目指す人は、学校の勉強のみならず、予備校などに通いながら、日々勉強に時間を費やすことになるでしょう。
医師になるには、医学部に入るまでの勉強期間もカウントすると10年程度は、目標に向かって走り続ける必要があります。

STEP2:国家試験に合格し医師免許を取得

医師になるには、国家試験を受けて、医師免許を取得する必要があります。国家試験を受けるためには、医学部の卒業見込みが条件です。医師の国家試験は、医学部卒業生の9割程度が合格するといわれています。「医学部に入学・卒業できれば、国家試験に合格することはさほど難しくはないのでは?」と思われる程の高い水準の合格率ですが、これは現役医学生の血のにじむような努力の結果です。国内でも最難関資格の医師国家試験の難易度は非常に高く、何年問も浪人して勉強を続けている学生が多いのも事実です。

医師の国家試験では、基本的な医学、診察に関する問題、医師としての最低限の倫理観が問われる問題が出題されます。特に、倫理観に関する問題(禁忌肢問題)は、数問でも間違えてしまうと、合格できません。

【医師国家試験の概要】

医師国家試験の開催日程は、毎年2月の初旬ごろに数日かけて実施されます。合格発表は3月の中旬ごろとなり、合格発表後に医師免許の交付申請をし、無事に医師免許を交付されるという流れです。

STEP3:研修医として働く

国家試験に合格し医師免許を取得できたら、初期研修医として病院で2年、実務経験を積みます。初期研修は「スーパーローテ―ト」とも呼ばれ、その名の通り複数の診療科目をローテーションする仕組みの中で、医師としての基本的なスキルや考え方を習得していきます。
現在は、【必修7科目】がプログラムの中に組み込まれており、その内容は以下の通りです。

  • 内科
  • 外科
  • 救急医療
  • 地域医療
  • 小児科
  • 産婦人科
  • 精神科

上記の臨床研修プログラムにて2年の初期研修を終えると、医師として認められます。
2020年までは、必修3科目(内科、外科、救急)と、基本5科目(外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科)の中から2科目を選択するという仕組みでしたが、近年の外科医・産婦人科医の不足と、精神科需要が増加傾向にあることから現在のプログラムへと変更されました。初期研修医は、必修で学ばなければならない科目が増えたため、その分負担も課されたと言われていますが、その後の進路とのミスマッチを防ぐ内容にもなっています。

 

医学部の学費

医学部は、通常の大学における他学部よりも2年長い6年間勉強する必要があり、一般的に学費が高いことでも知られています。実際の、医学部の学費の相場は以下の通りです。

医学部の学費

  • 私立大学医学部:約2000万〜4000万円程度
  • 国公立大学医学部:約350万〜415万円程度

一般的に、私立大学の学費は年間100万円、4年間で400万円前後であることを考えると、私立大学医学部の学費は、他学部と比較して5倍以上も高いことになります。「医師になるためには、お金がかかる」というイメージが強い理由は、私立大学医学部の学費がずば抜けて高いからでしょう。しかし、国立大学医学部の場合は、350万〜400万円程度で、私立大学の他学部と比べてみても、あまり変わりません。国公立大学の他学部(約255万円)と比較すると、通う年数が異なるため高いですが、手が届かない金額ではないでしょう。しかし、経済的に厳しいという場合は、奨学金制度や、学費の減額・免除制度を活用する方法もあります。

医師とはそもそもどんな職業か

医師は、健康や生命維持に貢献する大きな役割のある職業で、なくてはならない存在です。医師といっても、働き方の違いによって「臨床医」と「研究医」に分けられます。それぞれの働き方や年収の違いなどについて、解説します。

医師の働き方

医師の働き方

  • 病気の治療を行う臨床医(勤務医・開業医)
  • 治療しながら研究をする研究医

医師は、病気の治療・予防などを行う「臨床医」と、基礎医学を研究する「研究医」に分けられます。臨床医は、さらに病院などに勤める「勤務医」と、自身でクリニックを経営する「開業医」に分かれます。

臨床医

臨床医の主な仕事は、病院で直接患者を診察し、病気の治療、予防の指導、適切な薬の処方を行います。臨床医の中でも、病院に勤める「勤務医」と「開業医」に分けられますが、開業医は経営者としての側面もあるため、治療以外に雇用や経理などの仕事もこなさなければなりません。

研究医

研究医は、患者の治療などを行いつつメインは大学や企業の研究機関で、基礎医学や臨床医学の研究を行います。

まだ見つかっていない新しい治療法や、未知の病気の解明なども手掛けます。そのため、研究医は学会などで論文を発表することも業務の一つとして含まれますが、この点は臨床医も大学へ所属している場合は共通です。

医者の年収について

職業 平均年収
医師 約1,003万円
弁護士 約1,095万円
税理士 約672万円
プログラマー 約369万円
大学教授 約1,084万円
栄養士 約326万円
保育士 約315万円

医師の年収は、他業種と比較しても、トップレベルの収入といえます。ただし、科目によって年収にばらつきがあり、開業医か勤務医かによっても、大きく異なります。
参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額

科目別の医者の収入

■科目別医師の平均年収

科目 勤務医平均年収 開業医平均年収
精神科 1,230万円 2,588万円
内科 1,247万円 2,460万円
整形外科 1,289万円 2,989万円
小児科 1,220万円 3,068万円
産婦人科 1,466万円 1,834万円
外科 1,374万円 1,927万円

実際に、開業医は、勤務医よりも約1.7倍程度収入が高い傾向にあります。また、同じ科目であっても、入院施設の有無によって年収の高さが左右されるようです。手術などで入院が必要となる科目や、緊急性の高い科目については、年収が高くなる傾向にあります。

参照:厚生労働省「第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「勤務医の労働実態と意識に関する調査

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医師のキャリアプランについてもっと知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
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まとめ

医師になるためには、最短ルートを通ったとしても、8年は勉強する必要があります。医学部に入学し、6年間勉強した後、国家資格を取得できれば、2年の研修医期間を経て、医師として認められます。おそらく、最も難関となるのが医学部に合格することでしょう。医学部に入るための勉強期間を合わせると、10年近く目標に向かって頑張り続ける必要があります。決して簡単な道のりではありませんが、それだけの苦労に見合う社会への貢献と報酬を得られることも事実でしょう。
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国家資格キャリアコンサルタント
山ノ内 綾乃Ayano_Yamanouchi

日本メディカルキャリアの新入社員として入社いたしました。「あなた以上にあなたのキャリアを考える」という理念のもと、誰よりも求職者のお気持ちに寄り添うことができるようなアドバイザーでありたいと日々、精進しております。感謝と思いやりの気持ちを忘れないで、求職者の皆さま、医療機関様ともに頼っていただけるよう一生懸命に努めてまいります。

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