今回は、私の勤務する大阪支社の担当エリアの中でも、
神戸市にフォーカスをあててお話をしたいと思います。
数年前にポートアイランド内に神戸中央市民病院が、
施設の拡充と設備等の一新なども兼ねて移転をしました。
元々、神戸市は小児救急医療などにおいても輪番体制をより明確化させていた地域ではあるのですが、
救急医療においては、現在はこの中央市民病院でほぼ一手に救急受入れが果たせている情勢になっています。
三宮などをご存知の方からすると、
「本島ではなく人工島であるポートアイランドのあの場所で何故救急を一手に担えているのか?」
「場所が不便ではないのか?」などと考えるのが当然だと思います。
台風などが通過すれば橋を渡ることも出来なくなる可能性もありますし、
集約して良いものか?と思いたくもなるのですが、
とある番組で、中央市民病院の救急の体制や工夫された救急対応の取り組みなどを見て、
救急を一手に受け入れ、かつ今後も中核となっていくのだということを実感をさせられました。
まず一番驚いたのは、
救急のトップである部長は臨床の現場で一線に立つのではなく、
豊富な経験を活かし、次に行うべき検査項目や症状の疑いなどを周囲に指示・伝達し、
全体としての動きの「ムダ」を省くことをメインの業務としているということでした。
様々な症状を抱えた患者様、もしくは交通事故患者等でも「どこが一番重症化しているのか?」などの判断を下すためには、
様々な検査を行う必要性もあり、時間がかかります。
そこを省略できるということは、ベッドの回転や空きも早くなりますし、
次の救急要請の受け入れが可能になるということにもつながります。
また、各救急科の医師にも、重症度合いによって担う患者数を制限させており、
一定数の患者の対応に集中することが出来る環境づくりも強く意識されていると感じました。
これこそ本当のチーム医療だと思いましたし、不公平感もないので、
働く先生方も、忙しいけれどもやりがいと充実感に満ちた顔をされているように見えました。
今では、尼崎市も救急隊向けのアプリを作成し、
どの病院が受入れ可能でどの科目の医師が担当なのか?などが
リアルタイムでわかるシステムを市が提供し、
かつ総合医療センター(元県立病院)が開設されたことで、救急情勢が大きく変化をしています。
外来においても、初診外来や総合診療を設置するなど、それぞれが役割を分担することで、
外来の負担も随分と変わってくるものです。
医師不足が叫ばれていますが、現場の改善に常に意識を持っている医療機関は、
医師からも「就業したい先」として選ばれるわけですし、結果的にさらに現場は充実をしていきます。
私たちも採用などを通じて各医療機関と関わらせていただいている中で、
このような仕組みなどの事例をより多くお伝えし、
また違った角度で貢献できるようにできればと思います。
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