CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

若手医師のキャリアチェンジ ~後悔する前に考えておきたいこと~

医師という職業は、まだまだ売り手市場。

だからこそ、若手医師であればあるほど、
今後のキャリアを悩む時、キャリア形成における選択肢があまりに多く、
目の前の魅力的な言葉に惹かれてしまったりもするものです。

特に、30代後半~40代前半頃になると、スキル・専門性が身に付き、専門医も取得し、
後進の育成、役職など業務の幅が拡がっている先生も多く、
とはいえ部長職などの管理職より年齢が下になることが多いため、
転籍市場では非常にニーズが高い超売れっ子の時期と言えると思います。

ですが、このキャリアチェンジ、多くのメリットもある一方で、一歩間違えればリスクにもなり得ます。
だからこそ、目の前の一瞬を解決する事にフォーカスするのではなく
そもそもの【キャリアチェンジの目的意識】を強く持つことが必要です。

ここで、今までに出会った先生方で、過去のキャリアチェンジを後悔されている方々の、
比較的多いパターンを取り上げてみたいと思います。

パターン① 急性期病院の過酷労働に疲れた・・・

率直なところ、一番、先が見えなくなっている状況であり、
ワークライフバランスにばかり目が行ってしまうことで、後に選択を誤ったことを後悔するパターンです。

このケースでは、多くの先生がワークライフバランスを保ちやすい
回復期や療養などに医療ステージを変えることや、臨床を離れることをお考えになります。

そのこと自体は決して悪くは無いのですが、もしも回復期や療養にやりがいを見いだせなかった場合、
しばらくしてまた急性期に戻りたくなったとしても、
その時点で急性期患者を診るスキルが維持できていなければ難しいでしょう。

そのため、特に医療ステージの変更や臨床を離れるといったキャリアチェンジを考える時には、
後戻りが難しいことを理解し、タイミングを慎重に見定めることが大切です。

パターン② 開業

医師になった以上、「開業」の2文字が頭をよぎったことが無いという先生は、
少ないのではないでしょうか。

近年では、働き方や目指す医療などを自分の采配で決めることが出来る点に魅力を感じて、
積極的に開業を考える先生も一定数いらっしゃいます。

ですが開業はつまり自営業であることから、多額の資金が必要であり、
診療以外のこと(人の採用・教育、集患など)で多くの労力を必要とします。

また国の施策から、在宅の部分で点数を取る方向にシフトしつつある昨今では、
安定した経営のため、休日や時間外の往診なども求められてきます。

これらの覚悟と計画性、準備などが必要であることを重々理解した上で、舵を切る必要があります。

パターン③ 転科

魅力を感じて選んだはずの診療科であっても、実際に臨床で経験を重ねていく中で現実を目の当たりにして、
他科へ転科を検討される先生も少なくありません。

このパターンは、患者さんに接するうちに、
「自分がもっとやりたいことが出来た」という前向きなパターンもあれば、
逆に上記パターン①と絡むことも多いものです。

後悔が多いケースは後者であり、
「外科より内科の方が呼び出しが少ない」「精神科はお給与が高くて残業が無い」
「臨床は大変だから公衆衛生医師になろう」など、
その診療科の本質的な事を度外視して、表面的なことだけで判断した場合です。


年代は関係ないとは言え、
特に若手医師の場合は、結婚・出産・育児というようなライフステージの大きな変化も重なり、
キャリアチェンジを考える機会が多くなることは事実です。

キャリアチェンジは、時に先生を有意義な人生へ導いてくれるものです。
ですが、将来設計と共にしっかりと気持ち・情報の整理が出来ていなければ、
後に、取り返しのつかない大きな後悔を抱えることもあります。

キャリアを変える岐路に立つとき、
目の前の一瞬を切り取るのではなく【将来を見据えて】キャリアプランを検討することが大切です。

長期的な視点でキャリアプランを考えるためには、常に「過去・現在・未来」という時間軸で物事を捉えながら、
『絶対に譲れない事』『譲歩しても良い事』の優先順位を付けることで、
“自分のキャリアの軸”を明確にする必要があります。

この“自分のキャリアの軸”がぶれると、結局は、目の前の魅力的な言葉に惹かれて選択を誤り
後々、先生ご自身が後悔をすることになってしまいます。

ただ‥・、多くの先生とご縁をいただいている私の感覚では
意外とこの“自分のキャリアの軸”を決めることは、先生ご自身では難しいようです。

そのような時はぜひ、「あなた以上に、あなたのキャリアを考える」
私たちCBキャリアへお気軽にご相談をください。
先生の将来設計のお力になれるよう、力を尽くします。

キャリアアドバイザー
加納 由理Yuri_Kanou

教育学部卒業後、語学関係の企業へ。「もっと人の転機に貢献できる仕事がしたい」と転職。産休を2回取得し家では怪獣(子供)の相手をしながら、アドバイザーとして奮闘中。

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