働き方改革が叫ばれている中、医療現場はどうなっているのでしょうか?
医師、薬剤師の方の転職やキャリア形成のお手伝いをする私たちにとって、
医療従事者の方々の労働環境の改善は身近な問題です。
昨日、テレビ番組で医師の過酷な労働環境が取り上げられていました。
マスコミならではの表現も含まれるので、すべてを真に受けるわけではありませんが、
医師の転職・キャリアをお手伝いするものとして、
決して他人事ではないものと考え見ていました。
医師数が足りていないことはもちろん承知していましたが、
OECDの各国の平均から見ても足りていないという現実があり、
そんな中で今後医師の労働環境が本当に改善に向かうのか?改めて考えさせられました。
例えば、一般の方々からすると「病棟業務」という響きだけでは、
医師であれば当然のことのように思えますが、医師の立場になって考えると、
主治医となりその患者様への「責任を背負う」ことにほかなりません。
たとえ休暇を取っていても、急変すれば休みが無くなる・・・
昔ながらの「医師の使命感」という言葉は今も生き続け、
ご家族との時間も過ごせないという現状が今でもあります。
当然、「本当にこのままでよいのか?」と、
医師の働き方改革という形で様々な議論がなされています。
また、そのような過酷な環境を回避すべく、皮膚科や眼科などの科目への希望者が増え、
外科系の医師の希望者が減り続けているというお話も聞きますし、
「医師の偏在」と一言でいえばそれまでですが、労働環境の取り組みや工夫がなされない限り、
もっと傷口が広がるのではと私なりに日々感じていました。
日々多くの先生方と接する私自身は、医師も一人の人間であると思っておりますし、
「医師に人権はないのか?」と叫ばれていた方も存じ上げています。
科目によって大変さに違いがあるのは仕方がないとは思いますが、
今回のテレビ番組でその点に着目した取り組み、ツールが取り上げられていました。
「医療版LINE」といったアプリで、実際にMRIの画像などを添付し、
診断の共有や指示を遠隔で仰ぐことで、
緊急呼出しや時間外労働の削減が実現できているというものでした。
メールなど文章でのコミュニケーションでは問題があるのではと思っていましたが、
画像が共有できることで、各領域のスペシャリストの先生方の力を遠くにいながら
活用できるということで、業務効率化につながるのではと思いました。
ただ、ダブルチェック機能は?最終診断責任者は現地医師か、遠隔で指示を出した医師か?
など、疑問に思った点もあります。
それでも始めてみないと何も進まないと思いますし、まずは第一歩だと思いました。
私たちキャリアアドバイザーも、微力ながら医師の労働環の改善に力を尽くしたいですし、
そもそも高齢化にともない医療のニーズが増えている中で、
医師の絶対数が増えない限り、根本的な解決は難しいのではという私見も持っています。
ただ、一方で今回のアプリのような様々なテクノロジーの登場が、
少しずつでも医療の現場の負担を軽減することを期待したいと思います。
大学を卒業後、冠婚葬祭の会社に就職し、葬祭ディレクターとウェディングプランナーを経験。
キャリアが変わっても同じ「人生のお手伝い」に喜びを感じています。