CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

退職日に関する法律は「民法」と「就業規則」どちらが優先されるか

私たちは日々先生方とご転職のお話をさせていただく中で、さまざまなお悩みをお伺いしています。
そんな中で本日は「退職日」に関するお話をいたします。

転職をご検討中の先生の中で「退職日」に関してお悩みの方は少なくありません。
医師という職業柄、患者さんを突然放置することもできませんし、
人手不足の中、自分が辞めたら残された仲間が更に苦しむとお考えの先生もいらっしゃいます。

その中で今回は、
「辞めたいが就業規則に、『退職届を提出後、1年間は辞めることができない』と明記されている」
というお悩みに関して注目していきたいと思います。

この国では、労働者は労働基準法で守られています。

労働基準法にすべて目を通されたことのある方はほとんどいないと思いますが、
「退職」に関しては以下のように定められています。

有期雇用の場合

原則として期間中に辞めることはできません。
契約期間が経過すればもちろん退職することは可能です。

無期雇用の場合

・日給制・日給月給制・時給制の場合(パートやアルバイトなど)
→労働者は退職2週間前に退職を届ければ退職が可能です。

・完全月給制の場合(会社員など)
→当月前半に退職を申し出れば月末に退職することが可能です。
 当月後半に退職を申し出た場合は翌月末に退職することが可能です。

年棒制、半期年棒制の場合

退職予定日の3ヶ月前までに解約の申し出れば退職が可能です。
医師の方々の中には年俸制で雇用契約をされている方もいらっしゃると思います。

いずれにしても最大で3か月前に辞意を申し出れば退職ができるのです。

ここで先程出てきました「就業規則の退職に関する縛り」について考えてみます。
「労働基準法」と「就業規則」はどちらが優先されるのでしょうか。

答えは原則、「労働基準法」が優先されます。

「就業規則」はあくまで従業員へのお願いです。
できれば退職届から1年間は辞めないでくださいねと書いてある訳で、従業員の転職の是非は縛れないのです。

そうは書きましたが、実際には患者さんの引継ぎや代わりの人材の採用など、
最低限の引継ぎは社会人として必須であると思われます。

医療業界は狭い世界ですし、
できれば円満な退職になるよう話し合いをしていただければと思います。

私の経験上ですは、医師の退職日までの平均期間は半年間が一番多いように思います。

一概には言えませんが、3か月だと引継ぎするには短いケースが多いですし
1年間ですと求人数が大幅に減りますので、ご自身にも不利かと思われます。

また辞めることが決まっている職場で1年勤務し続けるすることも、
なかなかモチベーションの維持が難しいものです。

医師の方はキャリアの前半を医局の中で勤務されている方が多く、
転職についてそれほど詳しくない方が多いように思います。

そんな先生方のサポートをさせていただくことが私たちの仕事です。
「そもそも転職自体をすべきかどうか」からご相談に乗らせていただきたいと思います。

先生方からのご連絡を心よりご連絡をお待ちし申し上げております。

国家資格キャリアコンサルタント
衣笠 敬広Takahiro_Kinugasa

大学を卒業後、冠婚葬祭の会社に就職し、葬祭ディレクターとウェディングプランナーを経験。
キャリアが変わっても同じ「人生のお手伝い」に喜びを感じています。

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