私たちは日々、転職を検討されている先生方とお話をさせていただいています。
転職の理由もさまざまで、
「収入を上げたい」「もっと症例数を増やしたい」「子供が大きくなったので仕事に復帰したい」など、
人生の転換期に合わせた先生方の夢を伺いながら、求人をお探ししてご紹介を行っています。
しかし残念なことに「転職に失敗をしたから」という理由で、
ふたたび転職を検討される先生も少なからずいらっしゃるのです。
転職はとてもパワーを使いますので、
疲れ切った先生の顔を拝見するのは私たちもとても心苦しいです。
では、そんな先生方はどのような経緯で転職に失敗してしまったのでしょうか?
私が実際にお会いした先生のケースをいくつかご紹介したいと思います。
通勤時間が長いことが理由で転職を検討されていたところ、
定期非常勤先の先輩医師からとある医療機関をご紹介されたA先生。
自宅からも近く、先輩から聞いた話では業務内容も希望とマッチしていたため転職を決断されました。
しかし実際に勤務してみると毎日休憩も取れずに残業ばかり。
しかも周りは常にピリピリしているため、緊張感から来る胃痛に悩まされ続けたそうです。
加えて先輩からのご紹介ということで辞め辛く、更に苦しんだとのこと・・・
(産婦人科・50代・男性)
開業資金の調達のために高額求人であった訪問診療のクリニックに転職されたB先生。
ご転職をされる前に院長先生から「体力が必要な仕事だよ」と念を押されたようですが、
体力に自信があり転職を決断されました。
しかし実際に勤務をしてみると多数の居宅を少ない時間で訪問することを求められ、
精神的にも追いつめられてしまいました。
夜のオンコール対応も頻繁にあり、患者さんからのクレームと
院長からのプレッシャーでついには勤務中に倒れてしまったそうです。
(総合内科・40代・男性)
内視鏡のスキル研鑽を考え、より症例数の多い病院での転職を決断されたC先生。
自身では転職先を探す時間も取れないために転職エージェントに登録。
症例数が多いという求人を紹介されてそのまま面接へ。
エージェントからの強い推薦もあり言われるがままに転職をしてしまいました。
しかし実際に勤務をしてみると、内視鏡はベテランの先生が一人で対応しており、
全く症例が積めない職場環境だったのです。
今では「他のエージェントの意見も聞くべきだった」「複数の求人を見るべきだった」と後悔をされています。
(消化器内科・30代・男性)
この他にも、初めての転職でよく分からないまま転職をした結果失敗してしまったという先生や、
転居先で土地勘が全くないまま近隣の病院へご自身で応募し転職をしてみたら、
学閥があり孤立してしまった、なんて先生にもお会いしました。
転職には可能な限り十分な準備をしてから臨みましょう。
・心に余裕がある状態で、焦らず冷静に判断をする。
・求人票の内容だけを信用せずにある程度自分自身で調べてみる。
・信頼できる複数のエージェントに相談をする。
・安易に転職を選択しない。
先生方の転職のご成功を心からお祈り申し上げております。
ITやAIが全盛の昨今、お仕事を紹介するだけなら誰でもできるかも知れません。
実際にメールで求人票を送るだけのエージェントは複数ありますし、電話すら煩わしいと思われる方もいらっしゃいます。
その上で私は必ずクライアント先に足を運びますし、求職者にも極力お会いしたいと考えます。
求人票では分からない情報や求職者の本当のお人柄をお伝えしたいからです。
多くの方は本気でご転職や人材獲得に悩まれています。だから私も本気で相手の気持ちに寄り添わなければそれは嘘ではないでしょうか。
つい最近も私が担当させて頂いている先生から「やはりface to face」が一番ですねとのお声を頂きました。今後も顔が見えるアドバイザーであり続けたいと思います。