CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

失敗しない転科の考え方

『転科する動機』
転科の動機やタイミングは人それぞれです。

一つの例ですが、「望んで進んだ科目が、実際には性格的に合わなかった」や、
「臨床経験を積む中で、他の科目に興味が出てきた」といったお話を伺います。

適正がないと感じているにも関わらず、
その道を進むのは本人にとっても患者さまにとっても不幸なことです。
最終的に転科をせざるを得ないのであれば、
その先の先生方のキャリアを考えても、見極めは早ければ早いほど良いと思います。

また、出産を経て小さなお子さんがいる先生は、
緊急手術や残業が多い科目では両立が困難になるなど、
ライフイベントがきっかけで転科を考えられたというお話も伺います。

このように、それぞれのキャリアや人生の転機に、
現状に沿った職場環境を求めて、転科を決意されているようです。

同じ病院で違う科目に転科をすることは、
人員構成等に偏りがあり、病院側に請われてする場合を除けば、
基本的には敬遠をされることが多いです。
よって、ほとんどの方は転科=転職となるかと思います。

科目によっては、働き方や待遇、年俸などが大きく変化しますし、
転職先の病院の経営状況や規模の違いなどにも左右されます。
業務量を減らしたり、ワークライフバランスの充実を目指して転科・転職したのにも関わらず、
実情を読み違えて、更に状況を悪化させてしまっては元も子もありません。

このような失敗を防ぐためには、
転職先における働き方をよく理解しておくことが大切です。

また、未経験でも転科可能な科目もあれば、受け入れていただけない科目もありますので、
転科予定の科目が、現在の科目と比較して収入に差があるのか、
受入れ先に指導を仰げる立場の上級医がいるのかなどは、必ず確認が必要です。

加えて、転科は従来の専門科目を活かしてより良い就業環境を得たり、
診療の幅を広げられるチャンスでもあります。
開業を視野に入れている先生は、複数の科目を経験することで、
打ち出し方によっては増患も期待できるかもしれません。

転科に年齢制限はありませんが、若ければ若いほど、
より専門性を高める時間も機会も増えるはずです。

職場の人間関係や、何となく今の診療科が向いていない気がする
といった曖昧な動機で考えるのではなく、
将来的に自身がどのような医師になりたいのか、具体的な目標をもって、
そこから逆算して計画的に実行されるとよいでしょう。

キャリアアドバイザー
加納 由理Yuri_Kanou

教育学部卒業後、語学関係の企業へ。「もっと人の転機に貢献できる仕事がしたい」と転職。産休を2回取得し家では怪獣(子供)の相手をしながら、アドバイザーとして奮闘中。

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