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眼科医は診療科目の中でも年収が低い部類になりますが、開業医の診療科目別の年収を見ると、眼科医は上位に入っています。この記事では、眼科医の年代別、性別の平均年収はどれくらいか、他の診療科目と比較してどのような位置づけにあるのかを考察し、最後に眼科医として年収を上げる方法をご紹介します。眼科医として、年収を上げたい方は参考にしてください。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科の平均年収は1,078.7万円となっており、診療科目別に見ると決して高い収入とはいえません。
ただ、眼科医として年収を増やしていくことは十分可能です。
まずは、眼科医の年収について、男女別、年齢別などさまざまな角度から考察していきましょう。
令和2年度賃金構造基本統計調査をもとに、男女別、年齢別の眼科医の平均年収を推計し、まとめました。
年齢 | 女性(平均年収) | 男性(平均年収) |
20~24歳 | 361.9万円 | 410.3万円 |
25~29歳 | 560.1万円 | 619.4万円 |
30~34歳 | 826.3万円 | 846.4万円 |
35~39歳 | 859.8万円 | 1,070.1万円 |
40~44歳 | 1,063.0万円 | 1,281.0万円 |
45~49歳 | 1,215.9万円 | 1,499.9万円 |
50~54歳 | 1,247.3万円 | 1,469.0万円 |
55~59歳 | 1,423.4万円 | 1,527.4万円 |
60~64歳 | 1,069.1万円 | 1,448.9万円 |
65~69歳 | 1,535.7万円 | 1,235.0万円 |
70歳~ | 1,095.5万円 | 1,102.7万円 |
参照元:令和2年賃金構造基本統計調査
高齢になると、勤務医の定年退職などもあるため、不規則になる面も見受けられますが、男女ともに年齢を重ねるにつれて年収は増加し、おおよそ40代から50代で年収がピークを迎える傾向にあります。
勤務医・開業医の平均年収は以下のとおりです。
平均年収 | |
勤務医 | 1,490.9万円 |
開業医 | 2,763.4万円 |
参照元:令和元年11月実施第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告
開業医の方が勤務医よりも倍近い年収となっていることがわかります。ただし開業医は、スタッフの給与や、医療機器や事務用品などの経費、退職金などもクリニックの収入からまかなわなければなりません。
その代わり、自身の理想とする医療や、クリニックの方針を自分で決めることができるため、医師としての活動の自由度が高いというメリットがあります。
眼科は他の診療科目と比べて儲かるのでしょうか?眼科医は他の診療科目と比較をすると年収は低いですが、その一方で開業医の眼科医は年収が高い部類に入るという特徴があります。
以下、眼科医の年収の特徴について検証していきます。
まずは診療科目別の平均年収を見ていきましょう。
診療科目 | 平均年収 |
脳神経外科 | 1,480.3万円 |
産科・婦人科 | 1,466.3万円 |
外科 | 1,374.2万円 |
麻酔科 | 1,335.2万円 |
整形外科 | 1,289.9万円 |
呼吸器科・消化器科・循環器科 | 1,267.2万円 |
内科 | 1,247.4万円 |
精神科 | 1,230.2万円 |
小児科 | 1,220.5万円 |
救急科 | 1.215.3万円 |
その他 | 1,171.5万円 |
放射線科 | 1,103.3万円 |
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 | 1,078.7万円 |
参照元:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 勤務医の就労実態と意識に関する調査
最も年収の高い診療科目は、脳神経外科で、眼科は最も低い部類に含まれています。
脳神経外科の年収が高いのは、治療ミスなどが発生すると、将来にわたって重大な後遺症を残してしまう可能性があり、極めて繊細で正確な技術が求められ、手術の難易度が高いためです。
また平均年収が2番目に高い産婦人科は、オンコールや当直が多く、分娩トラブルによる訴訟リスクが高いため敬遠されがちな診療科目です。どの診療科目も人の命を預かる尊いものではありますが、年収が高い診療科目はリスクが高いことや、医師が極めて不足していることから、人材確保のために他の診療科目に比べて高給を提示している傾向があります。
開業医の中では眼科医は儲かると言われていますが、本当なのでしょうか?開業医としての診療科目別年収ランキングを見ながら、開業医の眼科医の位置づけとその理由について見ていきましょう。
開業医の診療科目別の年収は以下のとおりです。
順位 | 診療科目 | 平均年収 |
1位 | 産婦人科 | 4,551.9万円 |
2位 | 眼科 | 3,377.9万円 |
3位 | 整形外科 | 2,998.4万円 |
4位 | 小児科 | 2,827.3万円 |
5位 | 皮膚科 | 2,792.6万円 |
参照元:令和元年11月実施第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告
開業医になると、眼科は上位にランキングされます。これは、コンタクトレンズを使用するためには医師の処方箋が必要なことがあり、頻繁に利用する人が多いこと。またレーシックや近年高齢者の間で増えている白内障手術など、傾向として治療時間が短く回転率が高いことが考えられます。
眼科医が年収を上げる方法としては次の3つが考えられます。
それぞれ詳しく解説します。
眼科は、近視、遠視、老眼や花粉症や眼鏡、コンタクトの作成に必要な検査など、「目のかかりつけ医」としての位置付けとして大変重宝される職業です。
さらに年収アップをするには、日本眼科学会が認定する眼科専門医の資格取得の他、特殊な技能や設備が必要となり需要も高いレーシックなどの治療技術を磨いておくとよいでしょう。転職しても、アルバイトでも好条件での待遇となる可能性が高いです。
眼科医はコンタクトレンズ検診などをメインとしている場合は、オンコールや時間外勤務が少なく、自分のペースで働きやすい医療施設です。非常勤勤務のシフトも組みやすく、自分が収入を上げたい時期は、積極的に非常勤勤務で年収を上げることも可能です。
また、日本医師会男女共同参画委員会 「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」によると、1ヶ月の宿直日数が「なし」という回答や、宿日直、オンコールの状況も、「日勤のみ」と回答している割合が比較的高い診療科目です。このように眼科医は、ワークライフバランスを保ちやすい診療科目で、子育て中の医師などには眼科医の非常勤勤務はおすすめできます。
一方、眼科は、脳神経外科や糖尿病患者など、他の診療科目との連携も多いため、眼科医としてスキルアップをしたい方は、症例の多い病院を選ぶのもよい方法です。
ワークライフバランスか、キャリアを重視するか、自分に合った施設を選びましょう。
今後、スマートフォンやタブレットなどがさらに普及し、眼精疲労や視力低下の患者はますます増えていくと予想されます。また、高齢化によって、白内障、緑内障などの治療も増えていくでしょう。眼科医は今後の需要が高くなることが予想され、好条件の施設に転職をすることで収入をアップすることが期待できます。
開業医でも眼科医は年収アップが期待できますが、開業医はスタッフの採用や、クリニックの告知、機器購入の資金調達、給与計算、業者への支払いなど、本業以外の業務も多く、眼科医の業務の特徴であるワークライフバランスの維持が難しくなる可能性があります。
医師ベストキャリアなら、転職を前提とした回答ではなく、これまでのキャリアや今後の目標などをしっかりと把握して、本人に会ったキャリアプランを提供してくれるため、気軽に、かつ安心して相談ができます。
眼科医は診療科目別では決して年収が高い部類には入りません。しかし、検診などを主な業務とする眼科医なら、オンコールや当直がないため、ワークライフバランスを保つことができます。
また、専門医資格の取得や治療技術を磨いたり、非常勤勤務を増やしたりすることで年収をアップさせることも可能です。眼科医として開業しても年収アップを見込めますが、失敗するリスクや本業以外の業務に時間を取られてしまう可能性もあります。眼科医の年収アップに最もおすすめの方法は、転職です。医師ベストキャリアを活用して、自身のキャリアアップ、年収アップに役立ててください。
紳士服の営業として13年勤務。その後MR、管理職として医療業界に18年携わる。これまでの経験を活かして良縁転職のご支援をいたします。