ライフイベントで制約の多い女医はどうすればいい?
来年4月からスタートする新専門医制度。
10月1日の開始を予定していた専攻医の一次登録が10月10日に延期になり、
今後もスケジュールの変更や、細かい修正がありそうです。
今後の専門医取得はどうなるのか、更新はできるのかと
不安に感じていらっしゃる先生方も多いのではないでしょうか?
そんな中、特に大きな影響を受けるであろうと指摘されているのが「女性医師」です。
これまでの専門医制度は各学会が独自に運用していましたが、
新制度下では中立的な第三者機関(日本専門医機構)によって
専門医の認定と研修プログラムの評価・認定が統一的に行われるようになります。
ここでポイントになるのが研修についてカリキュラム制からプログラム制になることです。
・カリキュラム制
カリキュラム基準を充足した時点で、専門医試験の受験が可能。
取得について期間の定めは無い。
・プログラム制
カリキュラム内容を、年次毎に定められた一定のプログラムに則って履修。
基本領域の専門医については、原則として、プログラム制で行う、
つまり、定められた年限と研修施設で、必要な症例数などを経験し、専門医資格を取得する
ということになります。
ここが女性医師において不安材料のひとつになります。
専門医研修期間が妊娠・出産・育児などのライフイベントと重なった場合、
専門医の取得を諦めなければならないのでしょうか。
「新専門医制度概説とQ&A」にて日本専門医機構は以下のように回答しています。
Q:妊娠、出産、介護、留学などで研修を中断する場合にはどうなりますか?
A:新整備指針では、6 か月以内の中断であれば、残りの期間に必要な症例等
を埋め合わせることで研修期間の延長を要しないとなっています。
また、6 か月以上の中断の後研修に復帰した場合でも、中断前の研修実績は、
引き続き有効とされることになっています。
Q:研修プログラム制は、全員に適応されるのですか?
A:妊娠、出産、育児、介護、留学など、合理的な理由がある場合などでは、
プログラム制を柔軟に運用した研修も可能であり、さらにカリキュラム制
も可能とするとの運用細則を定めました。
ただし、カリキュラム制とプログラム制とで、育成される専門医の質に
差がないようにすることが原則です。
専門医取得も、更新も一定の配慮の姿勢は示されているものの、
ライフイベントで制約の多い女性医師には厳しい制度と感じます。
「専門医取得をあきらめざるをえない。」「次の更新を最後に退会する。」という
女性医師の声もあるようです。
どこまで柔軟な対応がなされるのか、まだまだ不透明な部分が大きいですが、
「あきらめる」と決める前に、私たちキャリアアドバイザーにご相談ください。
日本専門医機構、各学会の動きに注目しつつ、
これからのキャリアについて一緒に考えていきましょう。
外資系製薬会社MR時代に、メンタルケアに関心を持ち産業カウンセラー資格を取得。働く人の人生に寄り添う仕事を天職と感じ、キャリアアドバイザーの道に飛び込む。