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本日は世界中で大きな話題を呼んだ結果、発売日を待たずして重版がかかり、
発売から1週間で10万部、20日で20万部を超えるなど、ビジネス書としては異例のベストセラーとなっている
『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(以下、ファクトフルネス)』を
ご紹介したいと思います。
筆者の一人は「ハンス・ロスリング氏」でスウェーデン出身の医師です。
本書はあのビル・ゲイツやオバマ元大統領も絶賛しました。
『ファクトフルネス』が反響を呼んだ要因の一つが、冒頭で読者に出題されるクイズです。
例えば次のような、世界の事実に関するシンプルなクイズが13問紹介されていますが、
皆さまは正解できるでしょうか?
A:20% B:40% C:60%
A:低所得国 B:中所得国 C:高所得国
A:約2倍になった B:あまり変わっていない C:半分になった
2017年、日本を含む14カ国に住む1万2000人を対象にこのクイズについての調査を実施したところ、
唯一正答率が高かった13問目の質問を除けば、平均正解数は12問中たったの2問・・・
全問正解者は0人で、12問中11問正解した参加者も1人のみ。全問不正解者は全体の15%に上りました。
ちなみに、答えは敢えて出しません。
ぜひ本書にてご確認ください。
間違いの傾向などを分析していくと、学歴や社会的地位の違いにかかわらず、
多くの人が「世界はどんどん悪くなっている」という事実とは異なる勘違いをしているようでした。
実際に多くの人が勘違いしている事実をひも解きながら、
人々が無意識に行なっている偏ったものの見方や思い込みを止め、
事実やデータに基づいた正しい世界の見方について解説しているのが『ファクトフルネス』なのです。
データのオープン化が進む昨今、最新の事実に基づく正しい世界や物事の見方、
本能の抑え方を学ぶことの重要性はますます高まります。
ちなみに日本では、新たな学習指導要綱で重視する項目に「理数教育の充実」が掲げられ、
文部科学省によって「観察・実験などによる科学的に探究する学習活動や、
データを分析して課題を解決するための統計教育を充実」する方針が発表されています。
日々、忙しい毎日を過ごしながら世界中で何が行われ、何が変わっているのかを把握することは困難かも知れません。
新聞やニュースは必ずしも正しい情報を伝えてはいませんし、
他人や世界のことなど構っていられない方もいるでしょう。
それでも私は本書を通して、過激なニュースや思わず目を奪われてしまう文言に惑わされず、
膨大なデータの中から数字や統計の読み解き方を体得したいと思うようになりました。
尊敬する「マハトマ・ガンディー」の一言を思い出したからです。
「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。
それをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」
少しでも「ファクトフルネス」にご興味を持っていただければ幸いです。
キャリア編集部よりキャリアに役立つ情報をお届けします。