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キャリアアドバイザーコラム

医師の履歴書の書き方|転職するときの履歴書作成のポイントを紹介!

家族の都合や新たな環境を求めて医師が転職をする際、履歴書の用意が必要です。履歴書の作成が久しぶり、転職のための履歴書が初めて、などの理由から準備に戸惑ってはいませんか。

医師の履歴書を作成する際は、ほかの職業とは異なるポイントがあります。この記事では、医師に特化した履歴書の書き方を解説します。

医師が履歴書を作成するときのポイント

医師にとって最大の武器であり、医師たる証明でもある医師免許。これを持っていれば転職活動は円滑に済ませられると思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、どのような職業でどれだけの職歴があっても、転職活動にはきちんとした資料が必要です。履歴書は転職活動の必須資料。もちろん、医師が転職する際にも求められます。

履歴書の作成時には、注意すべきポイントがいくつかあります。学生アルバイトや新卒など人生経験の少ない若者ならどうにか許されるミスも、社会人経験のある転職希望者であればシビアにチェックされます。

ここからは、使用する筆記用具や写真の撮り方など、どの職業でも共通する基本的な履歴書の書き方と医師免許の情報を含む医師ならではの記載内容、注意点について解説します。

履歴書の記入方法

履歴書の記入を手書きで行うべきかパソコンで行うべきか迷う人が多くいますが、実際はどちらでもかまいません。ただし、読みやすいことが大前提です。字に自信がない場合は、パソコンでの入力がおすすめです。履歴書を何通か作る必要がある場合はパソコンで効率化を図りましょう。

そのほかにも、履歴書を記入する際は以下のポイントに気を付けてください。

<ポイント>

  • 手書きは楷書で丁寧に書く
  • 鉛筆や消せるボールペンは使わない
  • ボールペンは必ず黒を使う
  • 修正液、修正テープ、二重線での訂正は不可
  • 手書きの履歴書をコピーして使用するのは不可

履歴書の記入は、一度書いたら修正できない筆記用具を使うのが絶対です。手書きの場合、筆記用具は黒のボールを使用します。消せるボールペンは大事な資料に使って混乱を招いたり、詐欺に利用されたりといった事件が実際に起こっているため使用を控えましょう。書き間違えた場合は、修正しようとせずに新しい用紙を使ってください。

また、履歴書はコピーではなく原本を使います。今後のため手元にコピーを残したい場合は問題ありませんが、間違えてコピーのほうを提出しないよう気を付けてください。使用する筆記用具を間違えたりコピーと間違えたりといった問題は、パソコン作成であれば起こりません。字の美しさをアピールしたかったり、先方から指定があったりしない限りは、パソコンで作成するほうが安全です。

履歴書のテンプレート・フォーマットの選び方

履歴書の用紙は、よく見ると項目の名称やスペースの取り方がそれぞれ異なります。どの仕様の履歴書を使ったらよいか迷いますが、基本はコンビニ等で一般的に流通しているB5サイズを使用するのがよいでしょう。企業側から指定がない限りは別のサイズを使ってもかまいませんが、ほかの応募者とサイズが異なると採用担当者の資料整理の手間になってしまうかもしれません。

履歴書にはJIS規格のものもあります。JIS規格とは、日本で流通するものの基本的な国家規格を定めたものです。履歴書の場合、記載しなければならない項目が定まっています。迷ったときはJIS規格を選ぶと間違いありません。

パソコン入力で履歴書を作成する場合、インターネットでテンプレートをダウンロードするのがおすすめです。JIS規格に沿ったものだけではなく、職業に合わせて項目が記載されているものもあります。また、職務経歴書のフォーマットもダウンロードできます。自分でいちから作成するよりも効率的で、必要な項目の作成漏れも防げます。無料でダウンロードできるものをぜひ活用してみてください。

履歴書用の写真の撮り方

見た目が重要視されるモデル等の職業ではなくても、見た目の印象はとても大切です。ほとんどどの方は、各記入欄で自身の積極性をアピールするため、できるだけ空欄を埋めようとするのではないでしょうか。写真の欄も同じです。履歴書の写真欄には、必ず写真を貼り付けましょう。

できるだけよい画質で、よい表情のものを用意したほうがよいため、急いでいるとき以外は証明写真機ではなくカメラで撮ってくれる写真館に行くのがおすすめです。

なお、スナップ写真やプリントシール機はNG。きちんとした証明写真を用意しましょう。また、古すぎる写真は印象が変わってしまっています。

服装や髪型、男性の場合は髭にも気を使いましょう。医師は清潔感が大切です。能力こそ評価されるべきとはいえ、あまりにボサボサな髪の毛ですと、同じような経歴の候補が2名いた場合、清潔感のある写真を貼った人が選ばれるかもしれません。

写真を履歴書に貼る前に、裏側に撮影日と氏名を書いておくことも忘れずに行いましょう。貼り付けてしまうのになぜ裏側に記入するのか疑問に思われるかもしれませんが、これは万が一写真が剥がれてしまった際に先方の担当者がどの履歴書から写真が落ちたのかをわかりやすくするためです。

転職する際の医師の履歴書の書き方

ここでは、具体的な履歴書の記載内容を解説します。
医師が転職のために履歴書を書く際は、これらの項目を埋める必要があります。

  • 基本情報欄
  • 学歴・職歴欄
  • 賞罰
  • 資格・免許欄
  • 業績
  • 志望動機・アピールポイント
  • 趣味
  • 希望欄

それぞれの項目について、書き方のルールやコツがあります。どの職業にも共通する基本的な書き方だけではなく、医師ならではの書き方もあるため注意が必要です。

基本情報欄

基本情報とは住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先です。氏名は戸籍に掲載されている通り、略字を使わないように気を付けましょう。住所も、省略することなく建物名や部屋番号まで記入してください。電話番号、メールアドレスは確実に連絡がとれるものを記入します。

学歴・職歴欄

学歴欄は左から年・月を記入するようになっています。年数の記入は西暦もしくは元号のどちらでもかまいませんが、履歴書上で統一しましょう。

学歴の欄には、高等学校以降の学校名や入学・卒業などを記入します。学校名、学部・学科名も省略せずに正式名称を書きます。また、高校ではなく高等学校と書くよう気を付けてください。

<学歴欄書き方見本>

平成25年3月 ○○県立○○高等学校 卒業

平成25年 4月 ○○大学○○学部○○学科 入学

学歴に中退がある場合も、正直に記入しましょう。「ネガティブな印象を与えるのでは…」と思うかもしれませんが、面接官が見るのは現在の能力や人柄です。むしろ、事情がわからない空白期間があるほうが不安を与えてしまうかもしれません。中退の理由がやむを得ないものやポジティブなものであれば、短い文章で書いておくとよいでしょう。また、その際に中退ではなく中途退学と書くことにも気を付けてください。

<中退理由見本>

  • 経済的な理由
  • 語学留学のため
  • 学びたい分野が定まったため
  • 親の介護のため
  • 健康上の理由(現在は完治済み)

賞罰

賞罰の“賞”は、大きな大会での優勝歴を指し、“罰”は犯罪歴を指します。賞の欄に書くのは、全国大会レベルの大きな受賞歴、もしくは警察署や消防署からの感謝状などです。地方大会や学内のコンクールについては記入しません。

罰の欄には、刑法犯で有罪となった刑事罰について記入します。隠したい気持ちもあるかもしれませんが、あとから判明すると詐称にあたり、信頼も失います。ただし、小さな交通違反まで書く必要はありません。

賞罰がない場合は、この欄には“なし”とだけ記入しておきましょう。

資格・免許欄

資格・免許欄には、必ず医師国家試験に合格したことを記入してください。この際、医籍登録番号も併せて記載します。さらに、認定医や専門医、指導医などの資格を取得している場合は、それらについても忘れずに記入しきましょう。

<医師国家試験合格の書き方見本>

第○○○回 医師国家試験 合格(医籍登録番号○○○○○○○)

業績

業績の欄には、これまでに執筆した論文や学会での活動内容について記載します。論文が多い場合は、特にアピールしたい代表的なものをピックアップして記入しきましょう。

<業績欄の書き方見本>

第○○回 ○○○学会「○○○(論文タイトル)」(平成○○年)

志望動機・アピールポイント

志望動機は、なぜそこで働きたいのかを主張する重要な項目です。同時に複数の職場に応募する予定であったとしても、志望動機は使い回しができません。それぞれの職場に合わせて丁寧に執筆してください。

志望動機を記入する前に、応募先となる職場の基本方針や力を入れていること、特別な取り組みなどを調べて志望動機で触れると、効果的なアピールにつながります。自分の経歴や得意としていること、自身の性格や資格を生かしてその職場でどのように活躍できるのか、どのように貢献できるのかをアピールします。

趣味

採用に大きな影響を及ぼす項目ではありませんが、空欄ではなくきちんと埋めておくことが大切です。面接まで進んだ際、趣味の欄に記入したことが、緊張した場を和ませるアイスブレイクになることもあります。たとえば、面接官と趣味の話が合って覚えてもらうことができた、という話はよく聞きます。同じような職歴の候補者との選択になったとき、好印象を残しておけば有利に働くことがあるかもしれません。

希望欄

希望欄と聞くと、「いろいろと希望を書かないほうが採用されやすいかも…」と考えてしまうかもしれませんが、どうしても譲れない希望は正直に書いておくことをおすすめします。

転職を希望する医師の方は、待遇や生活スタイルなど、何かしらの改善を求めたからこそ転職に動き出しているはずです。ここで遠慮して希望を伝えなければ、転職する意味がなくなってしまいます。「これだけはどうしても伝えておきたい」と思うことは記入しましょう。

 

作成した履歴書は最後に必ずチェックをすることが大切!

履歴書がひと通り書けたところで、誤字脱字がないか、情報や考えが正しく伝わる文章になっているかどうかをチェックする必要があります。

どれだけ急いでいても、そのまま提出するのはあまりにも危険です。履歴書を作成する際に緊張していて、書き慣れたはずの基本情報すら間違えていた、ということもあります。また、自分ではよく知っていることをまったく知らない人に向けて文章にするのは意外と難しいものです。

正しい情報が記されているか、誤字脱字や漏れがないかなどの事務的なチェックと、文章の内容が伝わりやすくなっているかどうかのチェック、必ず両方を行いましょう。

最後に確認すべきポイント

履歴書の欄をすべて埋めたら、以下の点に注意して読み直しを行ってください。

  • 記入漏れしている欄はないか
  • 誤字脱字や略字はないか
  • 入学、卒業年度に間違いはないか
  • 客観的な文章が書けているか
  • 想いが伝わる文章になっているか
  • 他社向けの志望動機を誤って使い回ししていないか

履歴書のチェックは、書き終えた直後ではなく一度時間をおいてから行うことをおすすめします。書いた直後は頭に内容が残っているため、誤字脱字があってもスムーズに読めてしまい、ミスを発見できないことがあります。

数字や情報などの事務的なチェックが終わったら、文章を読み返します。ポイントは、アピールしたいところが絞り込めているかどうかです。自分の魅力をあれもこれも伝えたい気持ちになってしまいそうですが、ぐっとこらえ、アピールポイントを1つか2つに絞ります。あれもこれも書いてしまうと、それぞれに割ける文字数が減り、全体的に薄いアピールになって、結局どういう人物なのかを印象付けることができないためです。

アピールポイントを欲張っていないか、日本語が正しいか、話題が散漫になっていないかなどをチェックし、読みやすく内容が理解しやすい文章に整えます。自分だけではチェックが難しいと感じたら、別の人に読んでもらうとよいでしょう。

転職のプロに添削してもらうのがおすすめ

特に、文章のわかりやすさや内容をチェックする際には、自分以外の人に履歴書に記載した文章を読んでもらうことが大変有効です。プロに読んでもらえば履歴書の完成度がぐっと上がります。ここでいう履歴書添削のプロとは、転職サイトのコンサルタントを指します。

転職サイトのコンサルタントは、転職を成功させるプロです。履歴書のミスを発見し、より採用されやすい内容へと修正してもらうことができます。可能な限り、時間を作ってプロの添削を受けることをおすすめします。

また、医師ならではの書き方があるため、数ある医師の転職サイトの中でも、国家資格キャリアコンサルタントのライセンスを持ったキャリア形成を専門にしているようなエージェントに相談するのがよいでしょう。中でも医師ベストキャリアのエージェントはキャリアコンサルタント資格だけではなく、ファイナンシャルプランナーの資格を持ったダブルライセンス者が多数所属しています。年収交渉と転職後のマネープランも包括的に考えた提案を行っているのが特徴です。

医師は専門性の高い分野です。転職のための文章も、自然と専門性の高いものになるでしょう。医師の分野の知識が充分にあり、正しく添削できるプロの力を借りたいのであれば、医師ベストキャリアに相談してみてください。

医師ベストキャリアのダブルライセンスエージェントへの相談はこちら↓

医師ベストキャリアのサービスについて知りたい方はこちら↓

医師の転職活動についてもっと知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
医師の転職は時期が大事!適したタイミングとその理由を解説
医師のキャリアプランとは|年代別の特徴や実現のためのポイントを紹介

まとめ

履歴書は、自分の魅力を先方に伝える最初の手段です。ここで「会ってみたい」と思わせられなければ、面接まで進むことができません。履歴書の基本的な書き方を把握し、医師ならではの要素についても正しく記載しましょう。また、記入して終わりにせず、丁寧な読み返しを行うことも必須です。より確実性を求めるのであれば、医師に特化した転職サイトでコンサルタントの添削を受けましょう。

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キャリアアドバイザー
加納 由理Yuri_Kanou

教育学部卒業後、語学関係の企業へ。「もっと人の転機に貢献できる仕事がしたい」と転職。産休を2回取得し家では怪獣(子供)の相手をしながら、アドバイザーとして奮闘中。

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