CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

コンサル会社やオーナーと契約してクリニックを開設をする際の留意点

先生は「開業」と聞いてどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
多くは個人的な地域のクリニックを想像されるのではないでしょうか。

国内全てのクリニックのうち個人により開設されたクリニックはなんと40.6%にのぼります。
医療法人のクリニックが41.9%、社会福祉法人が9.6%という数値をみても、
その数の多さを感じられることと思います。(平成30年厚労省 医療施設調査より)

さてその個人開設についてですが、いろいろなパターンがあります。

いわゆる個人出資にてご自身で物件の手配も行う開業や、
法人の分院長として管理医師となるパターン、薬局に仲介いただき賃料のみ支払って開業するパターン、
コンタクトレンズ会社の出資にて開設医となるパターンなど、多くの方法があるのです。

その中でも今回は近年案件が増えている、コンサル会社やオーナーに出資してもらい、
個人開設医としてクリニックを開業するケースについてご説明いたします。

この場合は、お金や物件の手配はもちろん、
人事やその後の経営管理も全て行っていただけることが多いです。
金銭的な負担なく院長として勤務ができる上、診療のみに集中できるため、
先生にもメリットがある開業方法です。

このようなコンサル会社やオーナーとの個人開設について、メリット・デメリットをまとめてみました。
「なんとなく不安」、「責任が重そう」と思われる先生もいらっしゃるかと思いますので、
ぜひご一読いただき、案件をご検討いただく際の判断材料としていただけますと幸いです。

メリット

① 費用の負担が無い
  →ご自身での開業とは異なり、初期費用等を先生にご負担いただくことはありません。
   初期投資の部分や軌道にのるまでに必要な経費は会社やオーナーがお支払いします。

② すぐに開院ができる
  →医療法人の分院となると実際の開業までに大抵半年程度かかかりますが、
  個人開設としての届け出であれば3ヵ月前後での開院が可能です。

③ 経営や人事・事務に慣れていなくても開業ができる
  →最近では診療業務以外の全てをコンサル会社やオーナーで担うスタイルが多くあり、
   診療については院長の采配、その他は会社やオーナーと分担することで最適化を図れます。

デメリット

① 物件や口座の名義が本人のものになる
  →「うまくいかなかったときに責任が全て自分にまわるのでは?」
   「自分に全ての借金がくるのではないか?」
   と不安に思われる方もいらっしゃいますが、
   名義がご本人というだけで何か不都合が起こることはありません。
   大切なのは、信用に足るしっかりとした会社・オーナーかどうかというところですので、
   聞きづらいことこそぜひ紹介会社にお問い合わせください。

② 経営陣との方針の違いがあることがある
  →医療業界に精通したコンサル会社・オーナーが多いですが、
  「医師ではない」というところで方針の違いや考え方の不一致が出ることがあります。
   ただし、診療に対する考え方、経営に対する考え方は事前にお互いに話し合っておけば
   そのような乖離も回避することが可能です。
   ご自身がどういったスタイルで診療・開設管理をされたいのか、
   ぜひエージェントにお話いただき、理想が一致する会社との開業を叶えましょう。

成功のためには、転職と同様に事前にお互いの考えを確認し合うことが大切です。
選択の幅は狭めずより良い開業となるよう
ぜひお話の機会を設けてみてはいかがでしょうか。

編集部CB Career

キャリア編集部よりキャリアに役立つ情報をお届けします。

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