先日、病児保育の対応に積極的な先生にお会いしました。
小児科医師として、地域の働く女性の方々から喜ばれる「病児保育」対応を専門に、
長年地域に多大な貢献をされてきたのですが、
お歳も重ねられたことで施設を閉鎖せざるを得ないご状況となり、
今後のご自身の身の振り方について、ご相談をいただきました。
病院内での保育施設でも病児保育不可という施設も少なくありません。
そのような中で希少な病児保育施設の閉鎖を目の当たりにし、
考えさせることが多々ありました。
何が正解なのか?いったいどのような結果が望ましいのか?
仕事を離れ、子を持つ親としてあるいは職業人として、
もし自分だったら・・・と置き換えて考える日々を過ごしました。
個人的には、病児保育施設が1つなくなるということで、
「どれだけの親子に負担がかかるのだろうか?」という思いもあったものの、
先生ご本人の環境も変わり継続が困難となった以上、
もちろん無責任に「続けてください」とも言えません。
継承してくださる先生が手を挙げてくだされば理想ではありましたが、
なかなか良いご縁もないような状況でした。
そこで私は同じエリアの病児保育受入れに積極的な施設に、
勤務医師として引退まで貢献されてみてはどうでしょうか?
と提案をさせていただきました。
働く担い手が減らなければ、少しでも救われるお子様もいますし、
働いているお母様たちが継続してお仕事が出来るチャンスを失わずに済む、
とも思ったからです。
昨今、医学部の不正入試問題では、
「女性医師だと現場に制限が必要になる」などの懸念から
男性医師の比率を増やす不正操作があったとの報道がされています。
これは医療だけの問題に限らずどの職業にも言えることですが、
高齢化が加速すればより一層女性の力が必要になるはずです。
そのサポートの一つとして「病児保育」もあると思うのです。
医療の現場に直結する医学部への入学のステップでそのような不正があったことが、
残念でなりませんでした。
医師不足や医師の労働環境が問題となっていることを考えると、
男性医師のみに依存するなどということはできないはずです。
また、周産期や皮膚科医療、婦人科健診、乳がん検診など、
患者様から女性医師のニーズが高い職場や業務があることも事実です。
今回お手伝いをした先生の事例から、
様々なことを考えさせられたこともあり、コラムで取り上げさせていただきました。
私たちが出来る事は本当に小さなきっかけでしかないかもしれませんが、
医師の労働環境の改善に少しでもお力添えできればと思っています。
教育学部卒業後、語学関係の企業へ。「もっと人の転機に貢献できる仕事がしたい」と転職。産休を2回取得し家では怪獣(子供)の相手をしながら、アドバイザーとして奮闘中。